顔の筋肉はすべての感情につながっている

 

顔の筋肉は、感情のシャドーとも呼ばれていて
顔の中で感じる感覚をたどっていくと、
そこにはさまざまな感情が起こってくる。

顔の筋肉には、自分の意思で動かせるものと、そうでないものがある。

対話している相手の口元は笑っているように見えるけど、
なんとなく、怒っていたり、冷たく感じられるの時は、
実は顔の筋肉のある部分が固まっていたりする。

そう言った微細な筋肉の動きを
私たちはミラーニューロンを介して、
一瞬一瞬キャッチし、判断しているので
たとえ子供であっても、作り笑いをすることが
相手にとっていいとは限らない。

もしかしたら、正直に
「お母さん、今日はちょっと、がっかりしてるんだ」
といった方が、子供にとっては、自分が知覚していることが
お母さんの言葉と一致していることで、より安心したり
信頼できることにつながることもある。

フェイシャル・エンパシーの練習

練習はペアで5分間ずつ、A表現する人、B共感的に寄りそう人。
Aの表現する人は、顔の感覚に自分の意識を向けて行く。
そうすると、そこには、すごく繊細な色んな感覚があるので
それを声に出して表現していく。

例えば
「頬のこのあたりが緊張してるなぁ。
この感じをたどっていくと、なんか窮屈な
ちょっと、さみしいような分離感を感じる。」

とか

「額の眉の上のあたりが重い感じ。あー、そこには、
ちゃんとやらなきゃていう考えがある。すごく窮屈な感じ」

などなど、微細な感覚が教えてくれる今の気持ちにつながっていく。

そして、そこから、その感覚が教えてくれているニーズにつながっていく。
ニーズとつながって、味わい、そして、また、顔に意識を戻していく。

他には、そこにどんな感覚があるだろう。。。と、
じっくりと自分の顔の細部に意識を向ける。
そしてまた、それを言葉にしていく。

共感的に寄りそう人は、ただ静かに見守る。
Aが望む場合のみ、Bはニーズや感情の推測をなるべく少ない言葉で手伝う。

5分たったら、AとBは役割を交代する。

そして、最後に、双方が終わった後で、お互いの体験について
自分が顔の共感をして感じたこと、見守りながら感じた体験をシェア。

もちろん、この練習は、いつでもどこでも自分ひとりで行うことができる。

1日のうちでほんの数分、パソコンや携帯を見る手を止めて
目を閉じて、自分の顔を感じてみる。

そこにはたくさんの情報に刻々と反応している
微細な神経と筋肉の感覚がある。

顔の筋肉が教えてくれる自分の状態は、
時として、ハートや体を感じるより、感じやすい。

 

私がこの練習を何度かやって感じたことは、顔の繊細な感覚の中に、
たくさんの感情があり、本当に瞬間瞬間豊かに変化していくこと。

無意識に自分が自分の顔に課している癖や反応に気づき、
その背後にある感情そして、ニーズにつながっていくことで
変化してゆく顔の繊細な変化。

ゆるむことがゴールではなく、
ただ、感情がつながっている顔の筋肉が
どう変化して行くのか、
そこに意識を向けることの豊かさと
ともに味わう自己共感の醍醐味。

結果として、顔だけではなく体も心も緩んでくる。
このつながっている感じが面白い。

また相手の顔の微細な変化やシフトが
ミラーニューロンを介して伝わってきて、
それに反応したり、共振したりする自分の中の変化も面白い。

この練習は定期的に深めていきたいと思う。